行き過ぎた「自由」 日本国憲法のもう一つの欠陥

日本国憲法の欠陥については、憲法9条、前文について、言及される機会が多いが、本稿では、信教の自由、表現の自由について、取り上げる。

信教の自由、表現の自由に係わる、日本国憲法の欠陥について、指摘する専門家は少ない。

そこで、何か事ある都度、違憲などと、語る憲法学者と称する輩が存在する。

「高市氏言及の停波は違憲」 憲法学者ら見解表明
http://hosyusokuhou.jp/archives/46995120.html

護憲派憲法学者は、字面、そして理想しか語らない点において、実に文学的な学者である。
世間も安全保障上の現実も知らないようである。

多くの国で改憲が行われてきた事実を知るならば、

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http://kenpouseisaku.blogspot.jp/2013/03/blog-post_6.html

1945 年の第二次世界大戦終結から 2010 年 7 月に至るまで、アメリカは 6 回、カナダは 1867 年憲法が 16 回、1982 年憲法が 2 回、フランスは 27 回(1958 年の新憲法制定を含む)、ドイツは 57 回、イタリアは 15 回、オーストラリアは 3 回、中国は 9 回(1975 年、1978 年及び 1982 年の新憲法制定を含む)、韓国は 9 回(1960年、1962 年、1972 年、1980 年及び 1987 年の新憲法制定を含む)の憲法改正をそれぞれ行った。(「諸外国における戦後の憲法改正【第 3 版】」国立国会図書館『調査と情報』687号(2010.8.3.)から引用)

―――――――――――――――――

一字たりとも修正してはならないとする姿勢は、馬鹿を通り越している。化石である。
このような研究姿勢の憲法学者たちに学位が必要とは思えない。

当然、高市総務大臣は反論した。

【自民党】高市総務相、停波「憲法上の問題ない」 憲法学者らが憲法違反だと主張した問題で
http://hosyusokuhou.jp/archives/47002686.html

反論したというよりは、素人の学者に、常識はこうですよと教えてあげた感じなのであろうか?

我々は、護憲の憲法学者に対し、ドイツ:59回、フランス:27回、アメリカ:6回で改憲が行われ、日本でなぜゼロなのか、合理的な理由を問わなくてはならない。

憲法学の講義を受講する大学生の皆さん、世界を知らない学者に是非質問いただきたい。(質問の仕方によって、単位の評価が「可」となろうが「不可」となろうが、私は関知しないが、護憲派の学者の「劣化」実態を知る質問にはなるだろう。)

それにしても、どう考えても日本の改憲ゼロは異常である。

さて、倉山満が、その著書「帝国憲法の真実」の中で、「信教の自由」について言及している。

該当箇所を転載させていただく。

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195~198頁

第三節 自由すぎる信教の自由 

日本国憲法体制では宗教弾圧は一度も起きていません。しかし、それがそんなに素晴らしいことなのでしょうか。

日本政府はオウム真理教を宗教弾圧しなかった、と言えば驚かれるでしょうか。
平成七年(一九九五年)、麻原彰晃(本名:松本智津夫)を尊師と仰ぐオウム真理教信者が、地下鉄車内に毒ガスのサリンをまくという無差別テロを行いました。ほかにも拉致や暗殺など、数多くの組織犯罪を行いました。
地下鉄サリン事件を機に、警察は別件逮捕を連発します。最後は、オウム信者がカッターナイフを持って歩いていたら銃刀法違反の現行犯で逮捕するという徹底ぶりでした。
日本の警察は、一般人に対してそんなことはしません。明らかにオウム教団壊滅を狙った刑法の過剰適用です。しかし、これは宗教弾圧ではありません。
テロ対策であり、暴力団対策だからです。
日本政府は、戦後最大のテロを起こした暴力団に対して、その団体を壊滅させるべくあらゆる実力を行使したのであって、宗教弾圧はしていません。その過程を見ていきましょう。
当初は予想された破壊活動防止法(破防法)の適用が見送られました。破防法は「団体に対する死刑」と呼ばれる法律です。日本政府転覆を公言し、無差別テロを行った団体に適用できなければ、どのような理由でどんな団体に適用するのか。審査却下の理由が「再発を確実に予想できない」でした。

既存の法律では対処できないことで、通称「オウム新法」を制定します。この法律の正式名称は「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律」といって中身は名前のとおりですが、そんな団体はオウムしかないのですから、オウムを解散させるための法律です。そして教団は解散するも、新教団アレフへと移行し、名称変更と分裂を続けながら活動を継続しています。監視している公安調査庁の報告によれば、オウム時代の教義はそのままだそうです。

さて、この過程で日本政府はオウム真理教の教義を否定したでしょうか。信仰そのものは否定していません。ただ、暴力団(テロ集団)として扱い、攻撃しただけです。はっきり言えば、事実上は存続を許しています。
日本国憲法第二十条の信教の自由、しかも無制限の自由とはそういうことです。
これまた重要凡例ですが、「元プム信者転入拒否事件」があります。アレフの信者が引っ越しのために転入届を区役所に出したら、住民の反対で転入届受理を取り消しました、しかし裁判で争った挙げ句に、区役所は負けました。この区役所には今でも「アレフ追放」の大きな垂れ幕がかかっていますが、空しい光景です。似たような事件では軒並み自治体が負けています。

憲法学者は「首長には住民の安全を守る義務があるから、この判例は批判せざるをえない」と市民感覚丸出しで論評しています。もちろん一般市民が元オウム信者を忌避するのは当然でしょう。自分の街に暴力団事務書ができるのを好む市民がいないのと同じで、好んで元オウム信者を招き寄せようとはしないでしょう。
しかし、憲法学者は日本国憲法の「無制限の信教の自由」と、どう向き合っているつもりなのでしょうか。

欧米では、たかだか数百年前に、オウム真理教のようなことをしたら、最後の一人になるまで根絶やしにします。火あぶりも辞さず、です。国家は信教の自由を認めるからこそ、国家転覆を企む宗教団体とは徹底対決するのです。

では、現代はどうか。逆洗脳を施します。オウム事件のときも「マインドコントロール」という言葉が流行しましたが、カルト宗教から社会復帰するには、逆洗脳が必要なのです。逆洗脳がどういうものかは、満島ひかりと西島隆弘の熱演(というより狂ったような演技)で話題となった『愛のむきだし』をご覧ください。ちなみに実話を基にしています。とにかく、いったん相手の人格を破壊してしまうのです。もちろん命懸けの行為です。
そういうことをやる覚悟もなく、社会に放り出し、そして一国の最高法規である憲法で「無制限の信教の自由」を謳歌しているのです。元オウム信者とて、どこかに住まねばなりません。日本国憲法の解釈の積み上げと運用からすれば、裁判所の判断は妥当でしょう。
もちろん、「オウムのような元暴力団」を嫌う市民の感情が間違っているとは言っていません。日本国憲法が無責任な欠陥憲法だから、こういう事態を看破することになってしまうのです。

―――――――――――――――――

なぜ、本稿の冒頭で、扱った「表現の自由」に係わるものを取り上げないのか?
私は気になっている。

本稿、実は、「表現の自由」に関して、憲法学的アプローチで書かれたものが見当たらず、やむを得ず、「信教の自由」に係わる内容で代用したのである。

学者・言論人たちは、行き過ぎた「表現の自由」について、憲法学的アプローチで言及することを躊躇ってきたかもしれない、という見方ができる。
そういうテーマで書けば、集中砲火、炎上対象となるばかりか、言論界が左翼支配である関係で、出版活動できなくなることを危惧した可能性はある。

私は、「表現の自由」についても、倉山満が「信教の自由」に関して「自由すぎる信教の自由」と指摘したとおりの事態となっていると考える。

すなわち、日本国憲法は、「無制限の信教の自由」ばかりか「無制限の表現の自由」を保障する、無責任な欠陥憲法であると、言わざるを得ないのである。


日本国憲法の第21条にはこう書いてある。

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集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

―――――――――――――――――

「保障する」という文字を含めて、日本国憲法を強要した点において、マッカーサーそして、GHQスタッフは、本当にお馬鹿な集団であったことを、日本の護憲の憲法学者たちは、大学の憲法学の講義で語るべきであろう。

そして、同時に

安全保障の世界の常識を知らず、言葉の文法的解釈くらいしかできない、護憲憲法学者のによる『「違憲」を連発する、劣化した「表現の自由」まで保障』している、事態を深刻に受け止めるべきであろうことを指摘し、本稿を終える。


参考

・問題新聞記事 憲法改正と関連づけて対策する必要がありそうです
http://nihonnococoro.at.webry.info/201303/article_29.html

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この記事へのコメント

大杉
2016年03月06日 13:38
高市総務相の停波発言ですが、民主党政権時代に平野博文総務相も同様の答弁をしていますが、叩かれることはありませんでした。

高市総務相は「放送法上、停波はあり得る」と答弁しただけあり、「電波止めるぞ」と脅迫したわけではありません(輿石東が「止めるぞ」と発言した事はあるようですが。ソース:日刊ゲンダイ)。

現状「自由」というものが、恣意的な解釈がなされ過ぎだと思います。同じ文脈における発言なのに、自民と民主でマスゴミの反応が全く異なるのは異常としか思えません。

ひどいものになると、重要な事実を意図的に隠ぺいしたり、情報を捏造したりでやりたい放題です。

例えば、通名報道や活動家(プロ市民)を普通の市民などと報道するのは偏向ではないか?

それでも一切御咎めなしでは、マスゴミの暴走が止まらないだろうと思います。


大杉
2016年03月06日 14:02
特定の言論に対して、弾圧紛いの誹謗中傷を行うのも異常に思えますね。

ナチスの部分的肯定意見、現行憲法改憲論、マスゴミ関係の発言が異常なほどに叩かれるのも異様な光景に思えます。

言論界が専ら左翼で占められているのも、保守言論の踏み込みの弱さが如実に表れているように思えます。例え、正しい言論では無くても左翼が支持されてしまうのもそこにあるのかもしれません。

左翼というものは、世界の現実を考慮していない、いわば「井の中の蛙」ですから、その主張には欠陥や矛盾が多く見られるのですが、それでも何らかの力を持っている理由がよく分からないのです。

こういうものは、都合が良い内容のみ信者に見せる「カルト」と同じだろうと思うのですが、こういった「カルト」から抜け出すのが難しいのは、都合が悪い話には耳を貸さない状態になっている為であり、抜け出すには「洗脳」を「洗脳」で上書きするしかないという事だろうと思います。

大杉
2016年03月06日 14:17
また、憲法学者という職も日本ぐらいにしか存在しないそうです。

これは、憲法学者の仕事が「憲法の条文解釈」くらいしかないからだそうです。

憲法というのは明文化された法律文ですから、「条文解釈」を行うのは、本来法曹関係者が行うべき仕事であろうと思うのですが、我が国ではそれを憲法学者と称する集団が行っているというのが実情です。

「条文解釈」が仕事の憲法学者が認められるのならば、法律学者、条例学者のようなものが存在してもいいはずなのですが、我が国には存在しない事からも異様さが分かるかと思います。

本来必要なのは、法律文の根本に存在する「法」を研究する「法学者」であり、条文解釈を行うだけの憲法学者の仕事は、法曹家に任せるべきだろうと思います。

学者の仕事というのは、学問の研究ですから、「法」を研究する者だけ大学に存在すればいいのであり、条文解釈は司法機関に任せるべきです。

よって、我が国には「法学者」だけ残し、残りの学者モドキは法曹家になるべきだろうと思います。
管理人
2016年03月06日 18:59
<保守言論の踏み込みの弱さが如実に表れているように思えます。
言論界が左翼の牙城であり続けた関係で、保守言論は強く言わないできました。
3つめにコメントされた内容

<「また、憲法学者という職も日本ぐらいにしか存在しないそうです。
<これは、憲法学者の仕事が「憲法の条文解釈」くらいしかないからだそうです。

保守言論界はもっと早く気づくべきでした。
Suica割
2016年03月07日 17:54
冷静にいうと、但し書きに

1 棄教の自由を保証しないもの
2 信仰しない者への弾圧をするもの
3 日本国の民主主義体制を暴力で破壊するもの
以上については、日本国における信教の自由を認めなくてもよいものとする。

位はしておくべきでした。

そうすれば、いくらかの宗教関係の問題は早急に解決したはずです。
管理人
2016年03月07日 18:56
筋違いかもしれませんが、憲法の条文を無効化させる手順として、国際司法裁判所に対し、GHQに強制された事実を認めさせたいところです。

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