こうやれば当選できる? 選挙区マーケッテイングと組織化の重要性について 

本稿は、前回統一地方選挙で、落選した、保守系候補者向けの内容である。

統一地方選挙、当選できなかった人の分析を試みた結果、「組織化」を怠っていたという結論に達した。
平たく言うと、地域単位での後援会組織がない状況で、候補者が支持者の顔を知らず、街頭演説等に頼って闘っていたことにある。

逆に言うと、政党公認でそれなりの票を集めた候補については、それは、完全無所属でない限り、政党というブランドの力で集票したに過ぎないということだ。自民系候補は、ブランド化を指向し、「組織化」された選挙で闘い、議席を漸増させた。無所属の保守系候補が選挙で勝利するためには、「地縁」は生きていると考えるべきなのだ。

一方、拙ブログは、選挙区マーケテイングによって、愛国政治家の理想像として、「ビジョン・リーダー」への道が存在していること、それが最強の政治家像であることを示した。

・愛国政治家 ビジョンリーダーへの道
http://nihonnococoro.at.webry.info/201504/article_28.html

地方議員については、街づくり、地域づくりの次元で、新たなる価値観を創造し、それをビジョンとして提示し、有権者に示すことによって、今まで投票に行かなかった人々による投票行動、すなわち、投票率が上がる可能性を指摘した。

ここで、一人の活動家の存在を示したい。

天目石要一郎氏の闘い
http://blog.livedoor.jp/the_radical_right/archives/53110990.html

あまめいし要一郎の活動報告
http://blogs.yahoo.co.jp/amame1968/

彼は、度重なる圧力に屈せず、敢然と闘い、議席を奪還した。投票率は、44.85%という低投票率の、悩める選挙区である。

アッパレとしか言いようがない。

自分が先頭に立ち、不正と闘う姿は、まさに「ビジョン・リーダー」にふさわしい。

ここで、投票率についての動向について触れたい。

実際に、暮らしている地区をベースに住環境別に分類して、統一地方選挙において、次のような経験則を見出している。

―――――――――――――――――

住環境と投票率の関係(比較的治安が良い都市部のケース)

・70~80%
果樹園、農地が多い地区
別荘感覚で住める地区
都市部内の僻地

・60~65%前後
戸建てウエートが多い住宅地区
高級住宅地
宅地開発されて間もないところ

・55~60%
30年前の新興住宅街
交通量があってやや騒々しい地区

・50~55%
交通量が多い、騒々しい地区
商業地と住宅地が併存している地区
治安が良くない市内僻地

・40~50%
商業地のウエートが高い地区
中心市街地
風俗営業許可地区
温泉街
繁華街

―――――――――――――――――

実際は、もっと低い投票率の地区が存在している。

住環境の恵まれたところは投票率が高く、騒々しい繁華街、風俗店が多い地区は、投票率は40%を切る状況にある。
住環境と投票率に相関があると私は思うのだ。

この数字を示して、何を言いたいのかというと、その選挙区の住環境が大凡特定できる状況において、当該選挙区の投票率が住環境の影響を受ける場合、有権者が反応しやすい政策が何であるのか、決まることを指摘したい。

つまり、その選挙区の投票率と住環境が大凡把握できていれば、選挙区マーケテイング手法導入が可能となるのだ。

冒頭で紹介した、「ビジョン・リーダー」としての政治家が、インフラ投資的な視点での街づくり、地域づくりの提案が受け入れやすいのは、投票率が比較的高い地域であることは言うまでもない。

その逆もある。投票率が異常に低い地域でも、悩める選挙区の負のイメージを払拭する「ビジョン・リーダー」は必要だという見方ができる。

冒頭で紹介した、天目石要一郎はその一人である。好きか嫌いかは別として、新宿区議選に立候補した黒田ダイスケが採用した、選挙戦略・選挙戦術は、選挙区マーケテイングした結果、十分熟慮されたものであり、彼の選挙期間中の行動、発言もそれに沿ったものだと私は理解している。それゆえ、敢えて、黒田ダイスケのことをここで紹介するのだ。

では、黒田ダイスケが出馬した新宿区議選挙の投票率はどうだったか。驚くなかれ、38.69%だった。
http://go2senkyo.com/election/3754
新宿区長選挙に至っては、25%である。

この数字の意味するところは2つある。

地方議員、地方議会に対する、有権者の不信感、無力感。
もう一つは、増え続ける外国人に地方参政権を与えた場合、日本の首都であり、中枢である、新宿区議会を乗っ取るのは容易であることである。

ここで、投票率が著しく低い選挙区における、有権者ニーズを分析したい。

一応、考えられる4パターンについて、これまで投票に行かなかった、新宿区の有権者の投票行動について分析を試みる。

・福祉の向上→予算的制約ある中で、どの政党がやろうが結果は同程度→有権者の無関心化?
・生活を豊かにする→893が支配する地域、貧民街みたいな地区が存在し、それらの人々がいなくならない限り実現不可能→有権者の諦め?
・生活環境を改善する→莫大な予算が必要なので、実現するはずがない→有権者の諦め?
・社会的不公正感の是正→誰かが戦えば実現するかもしれない→有権者の最後の期待?

私は、黒田ダイスケは、新宿区という選挙区の投票特性を調べ、分析し、地盤も看板もカネもない?黒田ダイスケが選んだ選挙戦略上の結論が、「社会的不公正感」の是正だったのではないか

と考えている。

ここで、黒田ダイスケの選挙公約を眺めてみたい。

―――――――――――――――――

http://kuroda-daisuke.jp/page-69

5つの基本政策

消費税を再度あげる前に、やるべきことがある!

①税金の公平 ②福祉の適正 ③不正の防止 ④防災と防犯 ⑤投票率の向上

―――――――――――――――――

①~③は、社会的不公正の是正に直結している。
④は、893が多い地区特有の現象である。

今まで、諦めていた有権者、が①~④について共鳴し、⑤の投票率の向上に結びつくことを狙ったようである。

ここで、私のスタンスを述べたい。黒田ダイスケの人物評について種々取り沙汰されていることは承知している。私は、そのことにここで言及するつもりはない。
私は、政治家黒田ダイスケが採用した、基本政策(選挙公約)が、選挙区マーケテイングした結果に基づき、投票率が低く、治安悪化した選挙区において、地盤も看板もカネもない?完全無所属候補者として、「ビジョン・リーダー」的視点で見て、最適のものであったことを説明しようとしている。(ここで、ことわっておきたいのは、新宿区のあの選挙区だから、理にかなった選挙公約となるのであって、投票率60%以上の、住環境が整備された地区では、黒田ダイスケと同じ基本政策である必要はないことである。)

結果はどうだったか?前回得票よりも票を減らしていることである。不思議なことが起きるものである。理由はわからない。

ただ、一つ言えることがある。黒田が、後援会名簿を管理することを含め、「組織化」し、具体的ニーズを取り込むことができていたら、どういう結果となるのか。もう少し上を狙うことはできたように思うのだ。

ここで、維新政党新風の参議院選挙での葛飾区での得票と、参議院選挙に続く葛飾区議会選挙での得票について、述べたい。

数字上はこうなっている。

平成25年7月 参議院選挙(葛飾区) 3055
平成25年11月 葛飾区議会選挙    740

皆さんは、この数値をどう読まれるか。
鈴木信行代表が、あのソフトで真摯な語り口で獲得した3055票が、どうして、直後の葛飾区議会選挙で、そうならないのか?

不思議な現象である。

鈴木信行と瓜二つの、コピーロボット候補が出馬していれば、当選ラインの2200票は獲得できて不思議ではないようである。

続いて、久々に登場した大和撫子候補、しらす夏の、維新政党新風の参議院選挙での中央区での得票と、直近の統一地方選挙での得票について、述べたい。

平成25年7月 参議院選挙(中央区) 805
平成27年4月 中央区議選挙     500

葛飾区のケースと比較すると、大健闘しているとみなせる。葛飾区の候補はどちらかと言うと批判的言論が多い理論家、中央区の候補は見るからに大和撫子風、鈴木信行は自民党公認と言っても疑われないくらいの度量、清潔感、知的雰囲気が備わっている。

そう考えると、統一地方選挙で、維新政党新風に投票した有権者は、政党公認ということではなく人物重視で投票したような気がする。(共産党や公明党の場合は、人物がどうであるかより以前に、政党公認であれば、従前と同様、得票できるシステムが成立している)
維新政党新風の場合については、明るくプラス指向的な雰囲気の方が、票を伸ばしやすいのかもしれない。

それでは、「次世代の党」公認候補の場合はどうか。

豊島区新人と太田区の犬伏秀一区議について、前回衆議院選挙結果と直近の統一地方選挙について分析する。

平成26年12月 衆議院選挙(豊島区) 小選挙区 5622
平成27年4月 豊島区議選挙   920(投票率43.07%)

ちなみに、犬伏秀一区議の選挙区は、こうだった。

平成26年12月 衆議院選挙(太田4区) 小選挙区 20108
平成27年4月 太田区議選挙  6383(投票率42.3%)
平成23年4月 太田区議選挙  6363

犬伏区議は、前回も今回も善戦しているのである。豊島区と、太田区を比較すると、組織化できた候補とそうでない候補の
差が出たように思う。

犬伏区議は、恵まれない境遇で育ち、不屈の闘志、正直一筋で、自分の地盤を固めてきた強者といえよう。普通の人ならこうはやれない。それゆえ、心ある有権者は応援したくなるのだろう。

そして、犬伏区議は、低投票率の有権者のさまざまの階層に向けて、「決して諦めてはいけない!」という趣旨の政策メッセージを発している。

いぬぶし秀一 区政への7つの理念
http://www.inubushi.com/#!policy/c12v1

一人の区議が、自分の言葉で、誰に遠慮もせず、正々堂々と語っている。愛国を語っているだけではない。かなりの政策通のようである。区議でいるのがもったいない感じがする。
また、よく読むと、組織化することを前提に、選挙区をマーケテイングした結果、編み出されたものであるようにも読める。一つ一つが、どの後援会員向けであるのか、裏付けある書き方になっているように思える。

その点において、この政策集は、重層的であり、マーケテイング的に理に適っている。

犬伏区議は、「次世代の党」候補の選挙戦をこう総括している。

―――――――――――――――――

http://blog.goo.ne.jp/inuhide/e/7970b76b471e9b4d0eeadcebc808a204

 確かに、次世代の党の掲げる理念は素晴らしいと思う。が、だ。5回目の当選、第4位(3位と10票差)であっても、まだまだ多くの支持者が私の具体的な政策をご存じないのが実態だ。「いい人だから」「誰々さんが応援しているから」「頑張っているから」などが、ご支持下さる理由の多くである。

 勿論、私の過激な街頭演説や、文字だらけの政策ビラに共感して下さる方も沢山いらっしゃる。が、それは、僭越ながら4期の現職としての実績のうえでだと思う。

 しかるに、今回の次世代の党の新人候補の多くが、昨年10月以降に政治活動を始めた方だ。なかには、選挙前に選挙区に住所を移した方もいる。つまり、地方議員にもっとも大切な地域との関わりが少なかったのではないだろうか。街頭演説と朝晩の「駅立ち」だけに頼っていなかっただろうか。

 推薦候補のうち新人で唯一人当選したのは、無所属の若い女性候補だ。彼女は次世代公認を辞退しての出馬だが、大きな宗教組織が応援をしており、ご本人もその団体が運営する予備校講師だ。これは、地域活動がなくても当選するだろう。

 ただ、政党にパワーがあれば、地域活動がなくても当選できることがある。前回の、みんなの党の躍進、そして、今回の維新の党がそれだ。

 大田区では維新の党から2名が当選した。5000票を超える得票で当選した候補者。元々は民主党国会議員の運転手だった。それが、自民党に公認を打診して断られ、維新の公募で当選。いやはや、想定外だった。

 また、西村真悟先生の西村塾の塾生で「どこでもいいから議員になりたい」と語っていた男性。都内某区に住所を移して維新公認で出馬。予想外に当選してしまった。これは、間違いなく維新のパワーである。

 以上の点から、今回の統一地方選挙を総括すれば、次世代の党が惨敗したというよりは、候補者養成する時間がなかった事につきるのではないだろうか。

―――――――――――――――――

橋下徹率いる「維新の党」やかつての「みんなの党」は、マスコミ報道のおかげで、地域活動なくても、落下傘候補でも楽に当選できるという、犬伏区議の指摘は、実に興味深い。
「次世代の党」候補は、地域と係わり、「地縁」を組織化しなければ、当選できないのである。同じことは、完全無所属の保守系候補についても当てはまるはずだ。

続いて、いわゆる、完全無所属候補、荒川区の小坂英二区議の得票数の推移を見ておきたい。

平成27年4月 荒川区議選挙     2417
平成23年4月 荒川区議選挙     2449
平成19年4月 荒川区議選挙     2751
平成15年4月 荒川区議選挙     1674

荒川区の投票率は、45%である。小坂区議は、パチンコ廃止派として全国的には知られている。つまり、選挙区マーケテイング的に見れば、低投票率の悩める選挙区の負の課題を背負う「ビジョン・リーダー」ということになる。

こちらも「地縁」を大切にした候補ならではの堅実な闘いぶりである。ちなみに、小坂区議も上位当選である。
やはり、「地縁」を大切にした候補は選挙に強いのである。

最後に、小坂区議の「選挙戦の総括」を引用し、本稿を終えることとしたい。
言うまでもなく、小坂区議は、「ビジョン・リーダー」であるという意識があり、日頃から行動で示してきたからこそ、「地縁」を組織化し、結果として、上位当選に繋がったということなのだろう。

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http://kosakaeiji.seesaa.net/article/418612358.html

 選挙期間直前も、選挙期間中も自然体で、大騒ぎしない。選挙期間は有権者にしっかり向き合い、しっかりと言霊を伝え、共感を広げて行く好機ではあるものの、日常と別の意識で取り組むのではなく、日頃の活動の一環として捉える。

 私でしたら3期12年間、地域の方々との御縁を広げ、自らの見識も伝えてきた。それが有権者の判断の材料の大部分であり、選挙期間中の7日間だけとりわけ騒いで票を稼ぐという発想自体を止める。選挙期間中の新たな出会いにはじっくりと時間をかけて向き合う。

 家族は選挙活動に表に出て参加することもなく、自宅で候補者を温かく迎えてくれればそれが候補者の力になる。候補者の言霊を駅前などでの街頭演説で伝えることが大切なので、大勢で気勢を挙げることも無い。一人で演説をしていると、様々な方に語り掛けていただき、スムーズに演説も聞いていただける。選挙カーも無し。選挙事務所も無し。

 そうした活動だからこそ、選挙期間中の支出はゼロでした。選挙活動はほぼ全て歩き(一部、自転車で高速移動)でじっくりと有権者と向き合いました。

 選挙活動にお金をかけない分、日頃の活動に重点的に充てられます。こうした活動に理解をして下さった地域の応援者の皆様に心から感謝を申し上げます。

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この記事へのコメント

coffee
2015年05月12日 22:22
前にも申し上げましたが、黒田ダイスケは既にか暗黒面に転落しています。
応援してはいけません。
管理人
2015年05月12日 23:58
ご指摘の件は、小坪議員サイトでの推薦を考慮したものです。小坪議員は騙されていると言いたいことはわかりました。リンクしているサイトでもう一つ変なのがあり、納得しているところです。
無所属の愛国候補は、地域後援会を組織できない限り、街頭演説だけでは、当選ラインに達しない感じです。
そういう意味では、維新政党新風のしらす夏さんは、組織化しようとしているようで、将来期待できるでしょう。

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