「永遠のゼロ」百田尚樹 国政選挙出馬待望論

本稿では、小説家、政治活動家としての百田尚樹の存在に焦点をあて、なぜ今、百田尚樹待望論なのかという視点に立って、思うところを述べたい。

3月18日の「次世代の党を応援する大集会」は保守陣営における、保守系言論人の位置づけの変化が確認された場となった。

百田尚樹ら参院選二〇一六に出馬か|次世代の党を応援する大集会
https://www.youtube.com/watch?v=ln2_0By03Jw

それは、この集会の呼びかけ人の中で、特定の人、それも百田尚樹に注目が集中したことでわかる。

たとえば、このブログでは、既存の保守論壇に無縁だった、百田尚樹、 河添恵子のことを取り上げている。

頑張れ!次世代の党!
http://blog.goo.ne.jp/apita_21/e/c2a03c77ec85b77da799ae11686ff1ba

これらのブログも同様である。

「次世代の党を応援する大集会」に参加
http://blog.livedoor.jp/remmikki/archives/4843151.html

次世代の党を応援する大集会 (4)
http://plaza.rakuten.co.jp/komamenohagisiri/diary/201503190000/

「頑張れ次世代の党!私たちが応援している」〜「次世代の党を応援する大集会」が開催
http://blogos.com/article/108156/

呼びかけ人に名を連ねている、保守論壇の重鎮、櫻井よしこ、中西輝政は、大集会を欠席したのだそうだ。

私は、錚々たる呼びかけ人の序列において、百田尚樹の存在が櫻井よしこ並となったことを指摘せざるを得ない。

その理由は、国民的名作「永遠のゼロ」が導火線となり、候補者ばかりか、支持者を奮い立たせるような、選挙での応援演説の姿が、そういう評価に結びついた、と考えるからだ。

確かに、櫻井よしこは、政治の世界に精通している。文章は、てにをはレベル含め流麗で、美文調である。一方、百田尚樹は、小説家にしては、言葉は荒削りで下品?と言われかねない発言はある。が、それは持ち味としてであり、義憤をストレートに言葉にしただけであると受け止めれば、櫻井よしこが発してきた冷静で流麗な言葉よりは、言葉に力があり、言霊の次元に近い、響きと迫力を備えている、とみなせる。それが百田尚樹の最大の武器ではないかと、私は思いつつある。

私は、櫻井よしこを否定しているのではない。
櫻井よしこは、批判はしたが、優れたスキルを有する一流の政治評論家兼ジャーナリストであることは確かだ。
政治活動家、百田尚樹の存在意義を櫻井よしことの対比において、示そうと試みているだけなのだ。

私は、百田尚樹が発する言葉の力強さ、言霊的威力について、その背景にあるのが、「永遠のゼロ」と無縁でないことを指摘したい。

去る東京都知事選挙での街頭演説は、伝説となりつつある…………

【日本人はスゴい!】百田尚樹の驚きの演説 観客が感動の大拍手
https://www.youtube.com/watch?v=cO5wr4HiUpk

若干早口という欠点はあるが、衝撃的な演説である。よくぞ、言ってくれたと思った年配の方は多いと思う。

確かに、小説「永遠のゼロ」はフィクションに過ぎない。フィクションだが、多くの人が、多くの日本人が、世代を越えて読み、共感し、泣いて読んだ。涙を流していることを忘れ映画を見た。そのことは確かだ。
実は、まだ、私は、小説を読んでいない。映画で見ただけなのだ。(申し訳ない)

ただ、小説も映画も多くの共感を生んだ。共感を生んだからこそ、それを書いた人の言葉が、言霊的な力を持つに至ると私は解する。それが、百田尚樹最大の武器となるのだろう。

実は、私は、あの小説のシチュエーションと同様のこと、すなわち、映画の最後の方で、おじいちゃん役の俳優が、感情を殺し淡々と語る、(あの淡々さがたまらないのであるが)、私の親戚に、学徒出陣で海軍のパイロットだった方がいて、その方の戦後が、あの映画の最後の方で語られたイメージに、ピタリ符号するのである。

映画においては、おじいちゃん役の俳優は、かく語った印象がある。

―――――――――――――――――

敗戦後、多くの日本人は、敗戦を静かに受け入れ、戦前、戦中にあったことの真実について多くを語らず、その一方で人として為すべきことは誠実に守り実行し、助け合って生きてきた。私もその一人だった。
私は、私の身代わりとなって特攻出撃した、尊敬する上官の家族をひたすら守るために、戦後を生きた。そのためだけに生きてきた。多くの戦友が、その上官の家族を守ろうとしていたことも知っている。
日本の戦後の社会は、そうやって支え合った社会だったのである…………………

―――――――――――――――――

文面も言葉尻も少し違うかもしれない………………。皆さんは、映画の場面をどう記憶されているだろうか?

私の知る親戚の方の場合はこうだった。
愛国心を揺さぶられ、学徒出陣し、海軍パイロットに任用され、少尉となった。ところが……敗戦色が強くなった、ある時期の人事異動で、教官職となった……電気技師として飛行機の修理を担当したのだそうだ。特攻機の多くが、各機の部品を寄せ集めたものだったことを知っている方なら、この意味がおわかりだろうと思う。
その方は、「上官の配慮によって、特攻に回されずに………」とだけ語った。
では、この方、戦後をどのように過ごされたか。海軍時代の事をとにかく語らないのである。(中帰連帰還兵が、三光作戦という言葉を使い、戦地・部隊名・上官が誰だったかを言わず、中国戦線の日本軍残虐行為実態と称することを雄弁?に語るのとは対照的)本当に語らないのである。
では、(その代わりに)戦後何をしたか。多分に使命感で以て、1980年頃までに刊行された、海軍もののノンフィクション本を本箱2つ分くらい買い揃え、読んでいた。同時に、何かを書いていた。原稿に換算すると200枚くらいには相当するだろうと思っている。そして、ほとんど何も語らず、亡くなられた。
私は、その親戚の方に、軍歴を調べておくべきだと勧めた折、亡くなられてから1年くらい経って、部屋の茶箪笥の奥に、立派なクリアファイルにて丁寧に整理され、保管された資料を、偶然その家族が発見した。その中に軍歴も含まれていた。その資料の存在は、生前、その方が一言も語らなかったことは言うまでもない。
私は軍歴からあることを理解した。書かなくてもわかるだろう。
その人は、何も語らず戦後を生き、最期の瞬間においても、遺言らしい言葉もなく、逝去されたのだった。

私にとっては、永遠のゼロで登場し、映画の最後で語るおじいちゃん役が、親戚の方が語っているような印象があるのだ。
もちろん、所蔵されていた本の中で、これはと思われる本は、遺品として有難く頂戴した。

話を続けよう。

「永遠のゼロ」の特攻出撃された主人公とほぼ同じ境遇だった方で、ベテランパイロットとして、特攻機を護衛する任務だったのをやめ、特攻志願され英霊となられた方(親戚)が2名、実はおられる。
私は、その方および関係者とお会いしたことはない。従って、直接聞いた話ではない。又聞きなのだが、ご遺族の話を総合すると、戦況悪化を座視できず、特攻機の護衛としてではなく、特攻機として出撃することを自ら選択した………、つまり、「永遠のゼロ」の主人公と同じように悩まんだ結果、特攻出撃されたのだ。
特攻機で出撃したお二方の母だった方は、戦後、亡くなるまで戦争を恨んでいたのは確かである。戦争は悲惨な現実しか生まないのも事実である。
ただ、経緯を知る親戚の方々は、「永遠のゼロ」で語られたような戦後を生きてきたことは、本稿をお読みの方なら、ご理解いただけることと思う。

では、私にとって、「永遠のゼロ」はいつ始まったのか?

私は、ある夏の暑い日、子供をおぶって、家族連れで靖国参拝したことがある。その頃は、境内にて、傷痍軍人のハーモニカ演奏が、聞けた時代だった。参拝を終えて帰る途中、道すがら、多くの名も知らぬ年配の方に感謝され、ご挨拶いただいた。昨日の事のように覚えている。

それから十数年経過し、私は、出張のついでに、靖国参拝した後、再公開直後の遊就館を訪問した。遊就館は、公式資料情報展示が大部分だが、ある一室に、名刺サイズくらいの軍服姿の軍人の写真が、隙間なく無数に貼られているコーナーがある。気がつかない人には気がつかないことかもしれない。
私は、そのコーナーにいた、大学~高校生くらいの、男性二人、女性一人を見た。今で言う、団塊ジュニア世代兄弟と思われる3人を見かけた。彼らは、そこで、何をしていたか。手に、軍服姿の軍人が映っている古い写真を持ち、暗いあの一室に貼られている写真の中に同一人物がいないか、必死に探していたのである。
もうおわかりだろう。「永遠のゼロ」に最初に登場する兄弟たちを、「10年前の遊就館」で私は見たのである。

※ひょっとすると、百田尚樹は、遊就館のあの場所でで小説の着想を得たのかもしれない…………

私は、「永遠のゼロ」という小説について共感できる環境にあったことを、体験的側面から紹介した。

人によっては、坂井三郎の「大空のサムライ」のような戦記ものの視点から見るだろう。戦記ものだという視点から見れば、この小説は、まったく中身はない。しかし、小説の作者の意図は違うところにあるように思うのだ。
この小説の本筋は、主人公が何よりも大切にし、果たそうとした「約束」が時代を越え、守られていることを、孫世代が主人公の生き様の真実に触れることで発見、理解し、その「約束」が、自分たち世代に託された「使命」として認識する過程にあるような気がするのだ。



さて、映画「永遠のゼロ」の最後のシーンは、
マフラーをまとった、ゼロ戦ファイター(主人公)が都心の空間に、疾風の如く現れ、約束が守られていることに満足し、かつて歩んだであろう街並み、数十年後の現世を縫うように……飛翔し……最期の瞬間に向かう………

現代に生きる、心ある人々は、主人公の最後の「敬礼姿」に、我々現代人に託した「約束」というシグナルを見出す………

彼は、「約束」を進んで果たし、彼が生きた現世の肉体は、「特攻」、「死」によって機能停止し、消滅した。が、その思い、願い、希望は、我々の心の中に今も生き続ける。

「永遠のゼロ」は生き続け、時代を越え、語り継がれるのだ。つまり「約束を守り使命を解する」限り、我々一人一人から「永遠のゼロ」は消えることはないのだ。「特攻」は、「約束と使命」を解する人には、決して無駄死に、ではないのだ!

小説、「永遠のゼロ」は多くの共感を生んだ。共感を生んだからこそ、それを書いた人の言葉に、言葉そのものの意味に加えて、言霊が宿るに至ることは、必然である。

多くの無名ブロガーが、3月18日の「次世代の党」大集会の状況を伝える原稿にて、百田尚樹の登壇を紹介したのは、偶然なのだろうか。

それは、「永遠のゼロ」に共感する人々が、小説の世界ではなく、現実社会の世界において、「次なる歴史的使命」を作者に託す「希望」を持った結果なのだ。

すなわち、それは、百田尚樹の政界進出、すなわち百田尚樹の出馬を意味する。

百田尚樹は、政界における「永遠のゼロ」の「約束」を実現すべく小説を書き、選挙の応援弁士を務め、大集会の実質的な主賓となったのだ。

このシナリオに、論理的飛躍はあるだろうか?矛盾はあるだろうか?

政界における、「永遠のゼロ」のシナリオはまだ始まったばかりである。「次世代の党」の大集会はその狼煙に過ぎない。

今は、稀代の大政治家、安倍晋三がなんとか持ちこたえ、日本を良き方向に導こうとしている。あの超人的な外交日程はその証左である。それを引き継ぐのは、政界における「次世代」であるのが必然なのは明らかである!


参考資料
―――――――――――――――――

言霊とは何か 古代日本人の信仰を読み解く (中公新書) 佐佐木隆



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この記事へのコメント

水無月
2015年03月31日 22:18
主人公の祖父役の俳優さんは夏八木勲さんですね。確かこの作品が遺作となっているはずです。
話とは直接関係ないのですが、管理人さんがおじいちゃんという言葉を使われたのが少々意外に感じました。もう少し固い言葉を使われる方だと勝手に思っていたもので(笑)
管理人
2015年04月01日 07:02
投稿ありがとうございます。夏八木勲さんのこと、実は名前を知らなかったのです。Wikipediaで確認し、品の良い、体育会系の俳優だったことをで初めて知りました。不器用な一方、その孤高で毅然とした雰囲気は、他の俳優にはないものがありました。年老いたらああなりたいものだと思っております。
「おじいちゃん」という言葉を使ったおりますが、映画に出てきた孫世代(団塊ジュニア)の言葉に、うっかりのせられてしまった感じです。
実は、かくいう私も、そう言われる世代なのです。
コスマイク
2015年04月01日 08:12
遊就館是非とも、生あるうちに訪ねてみたいです。もう、三十年も前のこと、通学に利用していた十三駅で、片足がない軍服の方を、目をそむけながら、いつも通ってました。幟のような布にいろいろ書いて有りましたが見ようともしませんでした。
管理人
2015年04月01日 12:50
投稿ありがとうございます。
私は、近くに行った時は必ず、靖国に寄るようにしています。
永遠の0という小説は、多くの日本人に気づき、をもたらしたようです。

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