慰安婦発言で橋下徹が政治的に敗北した背景を分析するとわかること

今回は、井沢元彦の「言霊」理論に基づく、考察である。
「言霊」理論をまだご存じない方は、井沢元彦の「言霊の国解体新書」が小学館から文庫本で出ているのでご一読いただきたい。

とりあえず、「言霊」理論に照らすと、「言霊」が、現実社会にてどういう問題(影響)をもたらしているか知りたい方は、下記サイトの見解が参考となるだろう。

「言挙げ」の国と「論理的」の国
http://www.geocities.jp/trankiel/m-kotoage-j.html

さて、橋下徹は、政治的には、慰安婦問題発言以降、かつてほどの精彩はない。

やることなすこと、手詰まり感が漂っていることは否めない。

政党支持率は低下し、現時点で解散総選挙が行われれば、日本維新の会の議席数は、比例部分が半分以上消滅するのは確実だろう。

ここで、橋下徹の、一連の慰安婦問題に係わる過去の発言を鳥瞰してみると
デイベートのスペシャリストの視点から
自らを正当化し議論に勝利する目的で一連の発言が行われたことは確かである。

これに対し
朝日新聞は、「橋下徹が(心情的になりやすい部分を無視し)、女性が敏感になる事案を、『鉄面皮の様相で客観的にズケズケと語った』ことが気に入らない」ようで、

あるいは、朝日は、これを(悪用する視点から?)女性の心情に訴える報道作戦を展開し

今の所は

橋下徹は、正論を言ったがために、デイベートでは勝利したものの、(「言霊」支配された)世論はこれを支持せず

他方

朝日新聞は、女性の心情に訴えた記事が、(「言霊」の亡霊に支配される)女性層の共感を得て、ものの見事に当たり?、「日本維新の会」支持率低下をもたらした。

朝日としては、(かつて本多勝一が文章作法本等で提唱し、ありもしない「創作記事」を書くという、世論を誘導する、朝日得意の伝統芸)作戦が図に当たり、(橋下徹がとった反応が)面白過ぎて仕事が手につかなかったに違いないのである。

そこで、拙ブログの読者の皆様に問いたいことが2つある。

・政治の場での議論にて、語ってはならないタブーなど、存在するのであろうか?
・国防や外交などの点において、語ってはならないタブーなど、国益の点から、有権者として存在させていいのであろうか?
・語ってはならないタブーに触れただけで、その議論を持ち出した人は、「悪役としてレッテル貼り」され、軍国主義者だとか、極右だとか、レイシストだとか、人権問題だとか、女性に対する配慮がないと、実相以上に過激に批判の対象とされなければならないのであろうか?

少し具体的に、書こう。

井沢元彦氏の「言霊」支配理論を引用すると、
橋下徹VS朝日新聞の慰安婦発言報道に係わる、実相は、以下の様に説明できる。

――――――――――――――――――

朝日新聞は、橋下徹が発言した部分について

例によって都合良く切り貼りし

「言霊」支配された、女性層に対し

「言霊」支配的視点からすれば、語ってはならないタブーに触れた、とんでもない人間だという「レッテル貼り」をそれとなく行い

「レッテル貼り」に基づく印象操作?報道を繰り返し

「言霊」支配された女性層が、(外交問題化している事案を「言霊」発想で反応するのは、国益上危険であることに気づかず)朝日新聞報道にまんまと乗せられ、橋下徹批判を裏付ける世論調査に動員されただけのことなのである。

――――――――――――――――――

振り返ってみて、朝日が使った、一連の手口は、(私的には口惜しいが)かなりの高等戦術だったようである。

その後、橋下徹は、朝日新聞と絶縁状態だったようである。

結果を言えば、

橋下徹は、デイベートそのものでは勝利している。
男性保守層の多くは、橋下徹は正論を語ったと評価しているはずだ。
ところが、朝日は、「言霊」支配された、(愚かな)女性層の心情に訴えることに成功した。

目先どちらが、勝利したのか?と言えば、

朝日が姑息な手口で、「橋下徹が女性の感情を逆撫でするとんでもない政治家であるというレッテル貼り」によってし、政治的敗北に追い詰めたと言うことになるだろう。

そこで、感情を殺し、冷静になって、橋下徹がどうこの事態を打開すべきだったかを論じてみたい。

政治家もマスコミも共通することは、ターゲットとなる、支持者および読者・視聴者の大半は、「言霊」支配された哀れな「羊」たちである。(「言霊」支配から脱するのは容易ではない?)

その羊たちに向かって、ストレートなデイベート論法を適用すべきだったか否か?という点において、橋下徹は、判断を誤ったと言えるだろう。

安倍首相が、歴史認識問題で直接の言及を避けているのは、安倍首相が、歴史認識問題で依然有権者の大半が「言霊支配されている現実」を知っていて、敢えてそうしているかもしれないという見方ができる。

ただ、一見勝利したように見える朝日はというと、

自民党鬼木議員が指摘するように、橋下徹に対する一連の言葉狩り攻撃が社会問題として表面化し、マスコミによる「言論の自由の侵害行為」として国会にて認知され、処罰事案として法制化の地ならしが行われつつあると、私はみているし、拙ブログはその趣旨で提言した。

・マスコミによる「言論の自由侵害行為」を規制・処罰の対象とすべきである
http://nihonnococoro.at.webry.info/201405/article_14.html


つまり、言えることは、どちらも勝利していないし、その議論はかみ合っていない。

一方は、正当なデイベートを挑み、一方は、「言霊」理論を悪用し?、大衆受けする論法でレッテル貼りにより相手を貶めた。

どちらに、非があるかは明らかである。

私は、多くの方々が、政治・外交・国防分野において、我々が支配されている「言霊」文化の呪縛から解き放たれることを切に願っている。

私は言いたい。
橋下徹も意固地にならず、何が起きたのか、もう気づくべきだ。

まして、デイベートの専門家を自認するなら、対応の誤りに気づき、是正すべきなのだ。

私ならこうする。

朝日と個別事案で喧嘩せず、マスコミ規制法、放送法抜本改正、新聞法法制化を選挙公約に掲げ、如何に、マスコミがとんでもないことを日頃行ってきたかを有権者に選挙カーから具体的に説明し、「レッテル貼り」という「言霊」文化を悪用してきたマスコミ業界全体に鉄槌を下すことを宣言すべきなのだ。

そうすれば、結いの会との統合議論など、どうでもいい茶話話程度となるし

選挙公約に、マスコミ規制・罰則強化を掲げることで世論喚起を促し、マスコミに厳しく当たる政党が有権者から拍手喝采され、かつての勢いを取り戻せるかもしれない。

まして、政治塾を主宰した方なのであるから、己の政治的窮地をどうやって脱するか、他の政治家(政治屋)に対し、お手本を示すことぐらい訳ない話だろうと私は思っている。

橋下徹にとっては、多少、無責任?かつ皮肉めいた書きぶりとなったが、日本維新の会が精彩を失うと、憲法改正への道のりが遠のき、保守層の一人としては受け入れ難いので、(橋下徹は)好きではない政治家ではあるが、清濁併せ呑む視点で、書いたこと、最後にご理解賜りたい。



この記事へのコメント

Suica割
2014年05月21日 02:19
ディベート(討論)とネゴジエイト(説得)の違いを良くわかってなかったのが敗因だったのでしょう。
朝日は、ディベートする気は全く無く、女性をネゴジエイトする事を選び事を運びました。
最初から、対象も方法も違い、勝負が噛み合わず、噛み合わないまま、負ける戦いを強いられたと言えます。
橋下が勝つには、感情と理論をわしづかみにするテキサス親父さんの発見したアメリカによる慰安婦は売春婦である証拠の尋問書のようなものを出すべきでした。
その上で、しっかりとした調査でニセ慰安婦が混じる事の排除を目的に戦うしかありませんでした。
橋下は朝日の戦域と戦法の設定に負けたと言えます。
司法や法廷という特定された場所、相手の戦いと政治という不特定多数の公開された場所での戦いの違いが分からず負けたと言えます。
Shirasu J
2014年05月21日 05:50
拙ブログは言霊理論をかませたので、少々長ったらしい説明になりましたが、デイベートとnegotiateですか。うまい切り口だと思って読まさせていただきました。
それから、文章的には流れるような名文です。なんとかして橋下徹に読ませてあげたいところです。
Suica割さん、ブログやらないのですか?

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