安倍政権 5兆円超の経済対策設備投資減税の真意はひょっとすると……

拙ブログは、消費税増税に係わる方針を既に表明済みである。

「消費税率大幅引き上げ」反対の陳情を呼びかけます!
http://nihonnococoro.at.webry.info/201309/article_11.html

その後、以下のニュースなど、官邸の真意を部分的に伝えるニュースが配信されているため、読み取れる部分を読み取りつつ、見解を述べさせていただく。

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http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130919/plc13091901280000-n1.htm

経済対策は5兆円超 消費増税に備え、安倍首相意欲
2013.9.19 01:27 [消費税率引き上げ]
 安倍晋三首相は18日、官邸で開かれた「ものづくり日本大賞」の表彰式で、「この秋には思い切った設備投資減税を行う」との意欲を表明した。

 首相はこれに先だって官邸で麻生太郎副総理兼財務相と会談し、消費税増税に備えて今月末にまとめる経済対策に関し、投資減税や賃金・雇用を増やした企業の法人税減税などの具体策を検討するように指示した。会談では、麻生氏は法人税の実効税率の引き下げについては税収の大幅減などを理由に慎重な姿勢を重ねて示した。

 政府筋は18日夜、これに関連して、「実効税率引き下げより設備投資の方が先だ」と述べた。

 政府関係者によると、政府は5兆円超の経済対策を検討している。消費税3%の引き上げで家計や企業に年間8兆円規模の負担増が生じることを踏まえたものだ。2%の引き上げ分に相当する5兆円超の経済対策も引き上げに併せて、首相が表明するもようだ。

 首相は米ニューヨークでの国連総会出席などのために今月23~27日にカナダと米国を訪問する予定で、出発までに対策の大枠を固める方針だ。

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・基本的認識について

内容的に、大企業が得するための経済対策を実施するための、消費税率3%引き上げと誤解されかねない記事である。

従って、

・税収増の大半を設備投資減税に引き当て、設備投資減税を最優先とする根拠がはっきりしない
・歳出として、削れるものを削るという発想がない
・景気影響悪化懸念がない、代替課税措置について、ほとんど手つかず
ことを指摘する。

ただ、中国での工場を国内回帰する前提での設備投資なら話は別である。
また、この設備投資減税が、「電気料金引き上げは実施できたものの、原子力以外の発電所増設の将来展望が見えない、電力業界救済策」となる可能性を私は否定しない。

従って、首相官邸が、製造業の国内回帰と電力業界救済という、これら2点に気づいて経済対策をデザインしているかどうかがポイントとなることを私は指摘したい。

以下は各論。


・設備投資減税について

まず、ことわっておきたいのは、中国進出後、身動きがとれなくなった?日本企業救済策としての設備投資減税なら反対はしない。そうするならば、減税対象要件として、「海外に工場を持つ製造業」とすればいい。

一方、国内製造にこだわり、苦境が続いているとされる、シャープについては公募増資で得られた資金をすべて設備投資に廻す方針であることが伝えられているようであるが、ひょっとすると設備投資減税は、アベノミクス効果でやっと黒字化できたシャープのような企業を想定しているという見方もできる。
ただ、シャープは、間近に借金返済がいろいろ迫っているにもかかわらず、身の丈に合わない?設備投資のための公募増資を予定している点において、博奕的経営と言わざるを得ない。そんなに急いで何か得することでもあるのだろうか?それとも政権中枢との間で密談でも行い、V字回復することを目指す、何らかの確約?を得ているのであろうか?

確かに、設備投資は民間において、雇用拡大、受注企業側の税収増が期待はできるが、(中国進出した日本企業の国内回帰、資金難にあえぐ電力業界を除き)設備投資ならなんでもかんでも全額減税とすることはやりすぎだろう。適用対象を明確に限定するか、段階を踏むべきと言いたい。

たとえば、非正規雇用だらけの郊外型大型店や、飽和したと言われるコンビニ新規出店の設備投資減税なら、経済効果あるのだろうか。自営業者が廃業し、非正規雇用者がさらに増えるだけである。それならむしろ、設備投資減税の適用業種、業態を製造業(海外に工場を持ち、国内に研究開発拠点を持つ製造業や電力・エネルギー分野に限定しつつ、拡大するのが現実的ではないのか。


・賃金・雇用を拡大した企業への減税

賃金・雇用を拡大した企業への減税であるが、あくまで正社員の賃金・正社員雇用でなければ意味がない。
小売業への減税は、正社員の賃金上昇、正社員の大量雇用が前提となるはずだ。なお、私は、小売業界は生活保護者を大量雇用すべきと考えている。(生活保護者の正社員化に伴う歳出減、所得税収増は一石二鳥)


・総括

安倍政権が5兆円規模の施策をどうしても実施するなら、

・設備投資減税対象を「中国進出済みの製造業や電力エネルギー分野等」に適用業種を限定する
・経済対策に失敗すればアベノミクス支持者が半減するリスクを負う
・低所得者対策については、一時金支給ではなく、所得控除拡大にて対処する
・麻生副総理のアドバイスを受け入れる
・不報道、恣意的報道だらけの新聞への軽減税率適用としない(新聞業界はオリンピック効果で広告収入増加が見込まれる)

なら賛同する。

経済事案に関しては、麻生副総理は、リーマンショック後の対応などから、なかなかの識見を持つと考えるが故に、安倍首相は自重すべき点は自重いただきたい。

安倍首相は、確かに外交、安全保障、教育問題への対応は確かに天下一品だ。この分野だけでも歴史に名を残す可能性はあるだろう。だが、経済については、第一次安倍内閣の時、特段の印象がないため、あえて冒険と見られるような、消費税増税分の大半を企業向けの減税に振り向ける必要はないと思う。

経済的には、オリンピック招致を決めたことで目的は半分達せられたのではないかと言いたいのである。

従って、経済対策のポイントは、
設備投資減税のターゲットが

「中国に工場進出した製造業の国内回帰のための誘導策あるいは救済策」なのか
「原子力に代わる電源確保のための発電所(シエールガス対応)建設資金をなんとか捻出したい電力業界救済策」なのか
「我が国排他的経済水域内に埋蔵されているとされる、レア・アース、メタン・ハイドレード採掘事業等の促進」なのか
「IPS細胞事業の世界制覇の側面支援」なのか
「中韓で製造された製品ばかりを売り、非正規雇用者を増やすだけのイオンのような大規模小売店(小売業)支援」なのか

その性格を明確にすることにある。

安倍政権は、オリンピック招致でとりあえず2020年までの中共との軍事衝突は避けられ、オリンピック招致成功により、中共の軍事侵略の時間的猶予が得られた可能性は高い。

そう考えると、

「中共が我が国に対し、戦争を仕掛ける予定であることがほぼ確定しており、その時期が2020年のオリンピック終了を待って開戦となるだろうと踏んでいる前提での設備投資減税」であるならば、国益的に意義はある。が、そういう想定と無関係な(業種・業態・賃金・雇用構造に配慮しない)設備投資減税なら無意味であろう。

間違っても、大規模小売店やコンビニ業界だけが得をするような投資減税であるべきではないことだけは確かであろう。


補足
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本原稿を首相官邸および麻生副総理に意見提出予定。

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この記事へのコメント

coffee
2013年09月19日 23:15
5兆円超の経済対策やるくらいなら、最初から消費税率を引き上げない方が良い。
バカばっかり!
Shirasu J
2013年09月20日 04:00
まったく同感です。

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