マスコミ批判本に決定的に欠けている視点

拙ブログを読まれている保守系支持の皆さんは、たぶん、「マスコミ問題に関する本」を少なくとも数冊は読まれていることと思う。

私は10数冊は読んだ。だが、無力感だけが残った。

問題記事、問題番組であることは、どの本にも正確な記述があるのでわかるのだが、問題を解決するために必要な処置と対策がまったくと言っていいほど書かれておらず、一言で言うと、事実関係をリストアップし著者の問題認識を解説した程度なのだ。

そこで、こういう類の本の著者の多くに共通することについて、まず分析しておきたい。

多くの場合、このジャンルの本は、マスコミ関係者か学者である。
双方に共通していることは、実物を扱った実務経験がないことである。

メーカーなどに勤務経験ある方なら、製品不良発生時の処置として、当たり前のこととして体験していることであるが、
なぜそのような不良品が発生するのか原因調査し、
その不良品の発生状態を定義し、分類体系化し、
対策案を検討し、
必要な措置を実施し、
効果を見極め、
その結果を確認後、
プレスリリースし、再出荷となるのであるが、マスコミ関係者や学者が書く、マスコミ批判本は、ほとんどこの次元に達していないのである。

問題記事や問題番組を不良品と考えれば、対策や処置の次元まで考察するのは、ビジネス感覚から言って常識のはずなのだが、これらの著者はそれが得意とする分野でできておらず、出版化された本には、現行法で対処可能なこと、新たに法制化必要な事項、問題記事や問題番組について本来どういう処分や処罰が妥当なのかの記載がまったくないものばかりである。

これで、果たして読む価値があると言えるのであろうか?(ただ、あまり書きすぎると命の危険が伴うという見方があることは理解する。)

続いて、マスコミ関係者に対する私見となるが、マスコミ関係者がマスコミ批判本を書いたところで、同業者が同業者を適当に批判しているに過ぎない。
同業者だから同業者に対し、手心を加えて書いているのではないかということを指摘しておきたい。

たとえば、私が把握している、ある企業およびその業界団体について言えば、マスコミ社員は、例外なく、企業および業界団体から接待を受けていた人達ばかりである。接待を忌避した記者の話など聞いたことがない。また、私が、自分のポケットマネーで午前様で飲み歩いている際、彼らは、ある企業から3次会、4次会にて高級店で接待を受けている光景を何度も目撃した。
また、ある保守系国会議員の秘書は、国会関係の記者倶楽部記者から接待要請(たかり)があったと語り、ある業界団体に勤務していた知人がマスコミ接待に膨大な費用と時間を費やしてしたこと、ある企業の役員は今も役員専用交際費にてマスコミ社員を接待(飲食、ゴルフ)していることを知っている。

だから、このような人達が、マスコミ批判したところで、まともなことが書けるはずがないのだ。

もし、手心を加えないでマスコミ批判記事を書いていると主張するのであれば、マスコミ批判記事を書く前に、
自分が過去にどれだけの接待を受けてきたか、
そのことでどれだけねじ曲げて記事を書いたり、不報道としてきたのか、
その有無に関する告白記事を書くことが、
接待を受け続けてきた「正義感が強いジャーナリスト」がマスコミ批判本を出版する前に一人の社会人として最初に負うべき義務だと言いたいのである。

この点において、これまで出版されてきたマスコミ批判本というものは、一見、『マスコミ批判している「正義感強いジャーナリスト」をポーズとして自演』しながら、マスコミ業界全体をひっくり返すような暴露情報はおくびにも出さず、問題意識を持ち始めた保守系支持者(初心者?)を騙し、本が売れる程度の話題と素材を提供し、決して、解決策や再発防止対策に触れようとしていない。(いや、触れるはずがないと言った方がいいかもしれない。)

また、マスコミ業界には、記者倶楽部というシステムにいろいろな旨みがあることをさんざん経験したためであろうか、名前は出さないがマスコミOBの保守系ジャーナリストの中に、今も記者倶楽部存続をメルマガなどで公然を主張している方がいるのだ。

こんなのはまさに論外としか言いようがない。

ただ、一方で、地道にコツコツ書き続け、試行錯誤を続けているジャーナリストもいる。

いろいろ読ませていただいた中では、西村幸祐氏の、『メディア症候群(シンドローム) なぜ日本人は騙されているのか?』 (総和社)は、問題を掘り下げ本質論を展開した特筆すべき本であると思うのでここで紹介する。
タイトルは出さないが、宮崎正弘氏の本もいいと思っている。

しかし、これでもまだ、十分ではない。

なぜなら、問題記事を書いた者、問題番組を制作した者が、誰一人刑事訴追もされなければほどんど社内処分すらされずに、記事を書き、番組制作を続けているからだ。

少なくとも出版化するなら、この現実を重く受けとめるべきと思う。

だから、
対策案として、
マスコミに対しどういう監督体制が必要なのか、
どういう問題行為についてどの法律で処罰するのか、
どうやれば再発を防止できるのか
これが書かれていない限り、マスコミ問題解決にほど遠いことを指摘せざるを得ない。

最後に
マスコミ批判は、昨年8月のフジテレビ抗議デモを起点と考えれば、まだ、始まったばかりである。
これまでの、朝日新聞、毎日新聞、NHKなどの偏向番組抗議のように、一過性?のものに終わらせないためにも、国民全体を覚醒させ、問題報道・問題番組を根絶させるための「教科書的啓蒙本」や「問題報道・問題番組に対する法的措置等の対策や監督体制の次元に踏み込んだ論文や著作」を、保守陣営はもっと発信すべきなのだ。

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この記事へのコメント

coffee
2012年01月20日 23:57
マスコミ批判やマスコミ離れなどは、今後さらに拡大していきます。
2012年01月21日 01:23
マスコミ業界関係者によるいい加減なマスコミ批判本についても叱咤激励する必要があると考えます。

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