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zoom RSS 外交論争 我々はブルガリア方式に学ぶべきかもしれない

<<   作成日時 : 2016/01/19 04:22   >>

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「真・戦争論 世界大戦と危険な半島」(倉山満)という本に、倉山満が「ブルガリア方式」と定義する、外交論争上に発展した事案に係わる、処置の解説があり、よくよく読み込んでいくと外交論争を解決するための「知恵の産物」が含まれている気がしたので、これに触発され出稿することとした。

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125頁
英・仏・独・墺・露・伊・土の七カ国が集まったベルリン会議の結果、ベルリン条約がまとまり、ブルガリアについては次のようになりました。

・大ブルガリア帝国構想は認めない。東リメリアとマケドニアはトルコ領とし、ブルガリアの領土はブルガリア本土のみ認める。
・ブルガリア本土に広範な自治を認める。ただし、主権そのものはオスマン帝国に残す。

126頁
こでブルガリアは、サン=ステファノ条約で認められたのより大幅に領土を削られたものの、事実上独立することになりました。事実上の独立とはオスマンの支配から離れるということですから、戦争の果実はロシアのものです。オスマン・トルコの面子だけは立てなければなりませんが、露土戦争で獲得したロシアの権益はすべて認められました。

127〜128頁
昭和の日本がこの時のロシアの立場だったらブチ切れて戦争を始めても不思議でないところですが、ロシアは短気を起こしませんでした。オーストリア一国ならともかく、イギリスとオーストリアが組んでしまったらロシアは勝てません。オーストリア自身の軍事力は弱くても、英独が友達としてついているので勝ち目がありません。
ロシアは賢いので、勝ち目がない以上、どんなに面子を潰されても耐えました。ロシアは軍事力で持っている国だとよく誤解されていますが、実は外交力で持っている国です。力の論理の信奉者なので、強い国とは戦わず、弱い国は相手にしないリアリストです。
ところで、この時の「形式的主権は認めないが、実質的に自治権を認める」ブルガリア方式は、日本と重要な関係があります。ブルガリア方式を理解できなかったから第日本帝国が滅んだとも言えるのです。「主権はオスマン・トルコに残しつつもブルガリアがロシアの勢力圏に入ったのと同じように、満州国も、日本が満州事変で得た権益は全部認めるから、主権だけ中華民国に認めてくれ」というのが、満州事変後のリットン調査団の提言でした。リットン調査団とは、昭和六(一九三一)年、満州事変の発端となった南満州鉄道が爆破された柳条湖事件の調査を行った一段であり、リットン卿はその団長で、インド臨時総督も務めた英国の政治家です。とにかく名目だけは中華民国の主権を認めないと国際連盟の立場がないし、国際連盟の小国たちが「日本がやったようなことをドイツやソ連がヨーロッパでやったら困る」と言っている。だからここだけは妥協しないと日本のためにもならないから形だけは譲ってくれ、ということだったのです。
リットンは当然ブルガリア方式を知っていて日本に持ちかけているわけですし、日本側だって、ヨーロッパに行った外交官は一人を除いて全員優秀ですからわかっています。だからリットンは「これなら日本も飲めるだろう」と思っていました。

129頁
ところが、その例外の一人が、元オーストリア公使で当時の外相の内田康哉でした。まったく勉強せず、ブルガリア方式を提案されても理解できず、朝日新聞などがリットン報告書に対して、非難轟々で煽るとその言うなりになり、国際連盟を脱退してしまいました。この件で松岡洋祐がよく悪者扱いされていますが、松岡は実際には、国際連盟脱退に最後まで反対でした。松岡が「十字架上の日本」演説でイギリスと話をつけたのもつかの間、内田は「どんどん強硬論を言え」という訓令をおくりつけてぶち壊しています。

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その内田康哉については、こういう言動があったことが確認されている。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%85%E7%94%B0%E5%BA%B7%E5%93%89

内田康哉

1925年枢密顧問官。1928年に不戦条約に関わった。1930年(昭和5年)に貴族院議員、1931年(昭和6年)に南満州鉄道総裁に就任。同年9月の満州事変には不拡大方針で臨んだが、満鉄首脳で事変拡大派の十河信二の斡旋によって関東軍司令官・本庄繁と面会したのを機に、急進的な拡大派に転向する。斎藤内閣では再び外務大臣を務め、満州国建設を承認、国際連盟脱退などを推進し、1932年(昭和7年)8月25日、衆議院で「国を焦土にしても満州国の権益を譲らない」と答弁(焦土演説)。1920年代の国際協調の時代を代表する外政家である内田の急転向は、焦土外交として物議を醸した。当時の外交評論家清沢洌は「国が焦土となるのを避けるのが外交であろう」と批判した。

内田康哉の焦土外交の軌跡
http://ktymtskz.my.coocan.jp/cabinet/utida.htm

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捏造慰安婦問題の日韓合意を、内田康哉が新任の外務大臣としてこの1月に、日韓合意の改定という立場で担当した場合のことを想定したい。

内田康哉の場合は、

韓国は言うに及ばず
国連だろうが
アメリカだろうが

「安倍政権での日韓合意」について、日本の名誉回復に程遠い外交決着であるとして、これを完全否定する方針で対応することを望むのではないかと、私は推測するのである。

結果、どうなるか?

・国連は、日本憎し
・欧米メデイアは、総じて日本批判
・アメリカ議会は、日本批判再燃
・韓国政府、民間団体ともは反日続行

内田康哉は、戦前、軍事的に成功した事案を悉く外交的に敗北に追いやった人物として、倉山満は位置付けている。田中真紀子並の最悪の外交官として、倉山満は書いている。

では、安倍談話、日韓合意に係わる、欧米社会の反応はどうだったか?

詳細説明は省くが、

・国連は、歓迎
・欧米メデイアは、一部は歓迎、一部は批判的
・アメリカ議会は、総じて歓迎
・韓国政府は歓迎、民間団体は分断

であったようだ。

こういう現象を総括して、櫻井よしこは、「外交的に勝利した」と語ったのであろうと、私は解する。

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櫻井よしこ「日韓合意の安倍総理の決断で世界の反日メディアが日本側に立った!」「パククネは韓国の歴史をおかしいと思っている!」
https://www.youtube.com/watch?v=RJdHTrgybOg

http://ameblo.jp/bj24649/entry-12117273749.html

・本件日韓合意には日韓双方に不満が残っている。日韓双方の歴史問題に意識の高い人には不満がある。
・外交的には成功。アメリカを含め、日韓関係が悪いのは日本の責任だというのが国際社会の主流の見方だった。しかし、本件日韓合意によって、国際世論は韓国の責任を問い始めた。
・本件日韓合意を本当の成功にするためには、いくつかしなければならないことがある。民間人は、今まで以上に、慰安婦問題の真実を発信しなければならない。安倍政権も、首相直轄の(外務省の外に)情報発信対策本部を設置して情報発信をする必要がある。
・10億円を拠出しても慰安婦像撤去が実現する可能性は低い。慰安婦像撤去までは10億円を出すべきではない。韓国は4月に(国会議員)選挙がある。朴大統領は、安倍総理大臣からおわびの言葉と10億円を得たことで支持を獲得したい。4月の選挙後、日本としては慰安婦像撤去をきちんと求めていくことが重要だ。
・朴大統領のすべきことは挺対協の無理な要求に屈することではない。朴大統領は、歴史教科書国定化を決めたことに見られるように、韓国の歴史観はおかしいと思い、これを正常化させたいという気持ちが窺える。本件日韓合意も、日韓外交を正常化させたい、そして北朝鮮の脅威に対処したいと考えているだろう。そうなるように、日本としても、韓国に働きかけていかなければならない。

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一方、内閣支持率は、日韓合意を評価し数ポイント上昇した。

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内閣支持率

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201601/2016011500574&g=pol

内閣支持45.2%に=4ポイント増、日韓合意評価−時事世論調査

 時事通信が8〜11日に実施した1月の世論調査によると、安倍内閣の支持率は前月比4.0ポイント増の45.2%で、4カ月連続の上昇となった。不支持率は同4.2ポイント減の31.5%。慰安婦問題を「最終的、不可逆的」に解決するとした昨年末の日韓合意への評価などが支持率の上昇につながったとみられる。
 今夏の参院選で野党が統一候補擁立を模索していることについて聞いたところ、「できるだけ統一候補で臨むべきだ」は40.4%、「各党がそれぞれ候補を立てるべきだ」は38.5%で、賛否がほぼ拮抗(きっこう)した。
 衆院小選挙区の「1票の格差」の是正については、「時間をかけてでも各党が納得する策とすべきだ」が47.0%となり、「速やかに策をまとめ次の選挙に間に合わせるべきだ」の37.1%を上回った。
 内閣を支持する理由(複数回答)では、「他に適当な人がいない」が19.2%と最も多く、「リーダーシップがある」14.8%、「首相を信頼する」11.3%が続いた。支持しない理由(同)は、「期待が持てない」14.7%、「政策が駄目」14.5%、「首相を信頼できない」11.9%などだった。
 政党支持率は、自民党が前月比2.5ポイント増の25.6%、民主党が同0.7ポイント増の4.8%。以下、公明党3.8%、共産党1.4%などの順。おおさか維新の会は1.4%となる一方、維新の党は0.2%と低迷した。
 調査は全国の成年男女2000人を対象に個別面接方式で実施。有効回収率は64.2%。 (2016/01/15-15:02)

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日韓合意の完全否定派の怒り、失望、をあざ笑うかのようである。

完全否定派の存在があろうと、世論は、安倍政権の決断を評価している、ととれる。

日韓合意に激怒する保守派が存在しようと、世論はそれを評価する、完全否定派が、世論に逆行した存在となっている現象は、実に悩ましい………

そうなることを見越したかのような原稿が一つ存在する。

日韓合意に激怒する保守派は僅か200万人で安倍政権安泰?
http://ponko69.blog118.fc2.com/blog-entry-3646.html

かと言って、古谷のことを評価するつもりはない。奇をてらったような分析であること、真っ当な主張をしている保守層向けの見解なら違ったものの言い方をすべきだったと言いたい。

さて、日韓合意を受けての、内閣支持率上昇現象については、部分肯定部分否定派の私も、納得し難い不可解な現象である。ただ、その兆候は、前回衆議院選挙での次世代の党の伸び悩みを分析できていればわかっていることである。

が、それもこれも安倍首相がそういう結果になることを読み、決断したと解している。

「日本のこころを大切にする党」支持者は、完全否定派、部分肯定部分否定派が大多数
対して、自民、民主支持者は肯定派、自民の支持層の一部に部分肯定部分否定派と完全否定派が存在

となるであろうことを、事前の世論調査から掴んでいたのであろう。

少なくとも、安倍首相は、捏造慰安婦問題の処理について、上述で紹介したような、ブルガリア方式的処置を選び、欧米社会は歓迎し、安倍政権は外交的に勝利し、世論はこれを評価した、ということになる。

完全否定派の望むとおり処置の場合は、内閣支持率は下がったかもしれない。正しいことをやろうとすればするほど、外交的に窮地に陥り、世論も評価しない………それは、官界や企業社会において正論を主張する人間が、ともすれば中枢から遠ざけられる構図を象徴しているようだ。

私は、前回の衆議院選挙で、次世代の党が敗北を喫したことを想起している。

ちなみに、拙ブログの日韓合意に係わる最初の印象は、
「正しいか正しくないかをはっきりさせるための合意」ではなく、「外交的に最終決着するための合意」であった。

安倍政権も世論は、「最終決着、不可逆の保障が担保されれば、10億円で済むなら安上がり」、と考えたのであろう。

ちなみに、こちらのブログ、無条件肯定派?の視点から安倍首相の作戦勝ちを読んでいる。

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名誉を捨てて大局を獲る。改めて卓越した安倍総理の洞察眼を考察する。
http://blogs.yahoo.co.jp/nagomi3878/41310548.html

安倍総理の決断は、自らが批判の砲火を浴びることも想定したうえで、大局を把握した英断であったことがわかる。

●秋の臨時国会を中止した理由

●11月には既に年明け早々に没発した北の核実験の予兆を把握していたこと

●韓国が進退いづれも地獄状況、全面降伏状況にあることの読み

●3月の米国を証人とする日米韓首脳会談の根回しを完了して、慰安婦合意の最終的かつ不可逆確定の段取り

●北の核実験を予兆し、経済制裁として(余命主導の)官邸メ-ルで通報した朝鮮系暴力団のFATF登録の準備完了(米国指定を大幅に上回る対象→強制送還)

―――――――――――――――――

タイミング面からの洞察をするとすれば、こういうシナリオであれば、官邸が大局観を以て決断に至ったことについて、私は納得する。

なお、私は、朝鮮系暴力団のFATF登録に隠し玉があるように思う。一連の措置に、捏造慰安婦問題に加担した勢力も含める?可能性を予見するのである。

まとめに入りたい。

戦前の日本には、無敵の陸軍と海軍が存在した。国民も一致団結した。だから、内田康哉は徹底的な強硬策をかく主張できたのであろう。軍事小国なら言えるはずがない、のである。
現在の日本には、経済力はあるが外交に反映させているとは言い難く、かつての軍事力は面影もない………

愛国保守派にとっては、無情なことだが、国家の滅亡を受け入れるならともかく、未だ敗戦国の頸木から解放されていない中で、政治家の使命が国民の生命と財産を守るという前提に立つなら、最善手ではないのかもしれないが、外交的に勝利する道しか選択肢はなさそうであり、安倍政権はそういう視点で日韓合意を決断したのではないかということを指摘し、本稿を終える。

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