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zoom RSS 語り継ぐべき海軍の勇将 伝記ものを扱う言論人に申しあげたいこと

<<   作成日時 : 2015/10/04 19:55   >>

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本稿は、戦史ものの本、軍人の伝記を書かれる、ノンフィクション作家、言論人向けの提言である。

終戦記念日、私は、ある神社の境内にて、地元出身の方で特攻死された方の奮闘を記述した張り紙を見た。その方のことは、Wikipediaに簡単な紹介がある。その方のことを書いている本もあるようだ。史料は、自衛隊の駐屯地の広報資料室に展示があるそうだ。

話は変わり、先日、大学の同期生と歴史談義になりそうになった。
この同期生、それなりの常識人だと思っていたが、歴史書としてイメージしているのは、司馬遼太郎の歴史小説なのだそうだ。私は、吹き出しそうになった。この人物にとっては、歴史小説も歴史書も同じ範疇のようである。
ちなみに、この人物、文科系で教養過程で歴史は受講していたはずが、何も学ばず、大企業に就職し現在に至っているようであることを察し、敢えて議論せず、聞き役に回ることにした。

さて、保守層においては、安倍談話によって、「戦後」という言葉の終焉を意識された方が少なからずいると思っている。

そういう意味において、ここで歴史の総括をしなければ、後顧の憂いとなるだろうと思っている関係で、最近、大東亜戦争史ものの本を読み始めている。その中で、特に気になっているのは、真珠湾作攻撃直前の経緯、ミッドウエー海戦である。
人物的には、米内光政、野村吉三郎、山本五十六、南雲忠一に係わるものを選んで読んでいる。
理由は、敗戦の原因に深く係わっている疑惑の人物と考えるからだ。

その一方で、海軍の勇将の存在にも気づいている。

戦艦大和に乗船し第二艦隊司令艦長として沖縄に特攻出撃した伊藤整一中将

伊藤整一
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E8%97%A4%E6%95%B4%E4%B8%80

第二十六航空戦隊司令官として自ら特攻を選んだ有馬正文少将

有馬正文
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%89%E9%A6%AC%E6%AD%A3%E6%96%87

真珠湾攻撃、ミッドウエー海戦で、勝つための意見具申何度もしたものの、ほとんど無視・却下され、ミッドウエー海戦中、味方空母が被弾・火災で出撃できない状況で、空母「飛龍」の司令長官として、出撃命令を出し、敵空母を沈没させたものの、空母「飛龍」も被弾し、その責任をとり戦死した、有馬多聞少将

山口多聞
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E5%8F%A3%E5%A4%9A%E8%81%9E

ここで、なぜ、WikipediaのURLを表示した理由を述べたい。

実は、ここで挙げた、三人の人物については、多くの出版物が出ており、また察するに、私生活、仕事ぶり、軍人魂の点で、尊敬に値し、かつ語り継がれるべき代表的人物であると思うからだ。

がしかし、ノンフィクション作家、小説家たちが描く、これらの人物を扱った本には、ところどころ、会話文が挿入され、脚色されたものか、会話自体がテープレコーダーに録音されているなど音源が確保されているという根拠に基づいて書かれているものなのか、区別のつかないものばかりなのである。

一応、これら三人の遺族(近親者)による本については、遺族として確保・保存した史料の写真、関係者から聞いた話の紹介という形で、書かれており、史料価値が認められるものが多い。
しかし、近親者が書いた本は、そう売れるものではなく、配架されているのは地元の図書館に限定されるようである。従って、実際に普及している本の大半は、(残念な事だが)ノンフィクション作家、小説家が脚色して書いたものになってしまうことだ。
ただ、彼らノンフィクション作家たちは、書くに当たって、遺族や関係者に取材し、史料を入手し、聞き取り確認はしている。そのうえで、実話小説みたいな文章としての会話文を、それも重要な箇所、あちこちに挿するのである。
彼らは、言うだろう。自分たちは、取材し、史料を集め、ウラをとって書いたと。
しかし、会話文では、史料価値はない。歴史学の世界を知るならば、歴史小説は歴史書ではないのは自明である。

なぜ、ここまで露骨に書くのか?

それは、安倍談話をきっかけに、歴史の総括を目指しているからである。

何としても歴史の総括をしたいので、

敗戦に至る原因に深く係わっていると思われる、疑わしい人間については、更なる調査をすると同時に未解明な点は、後世に託す必要があるだろうし、
敗戦に至る過程において、自己犠牲を厭わず活躍され、私生活含め、尊敬に値する軍人については、後世に語り継ぎたいと考えるからだ。

では、後世に語り継ぐために必要となることは、何であろうか?

歴史学的視点に立てば、書かれていることすべてに、根拠があり、参考資料が注書きで示されている状態であることが必然となる。

我々の孫やその孫に語り継ぐとして、小説風の会話文で語り継ぐことができるのか、という意味である。
語り継ぐなら語り継ぐにふさわしい、表現形式を伴っているべきではないかという、問題提起なのである。

ここで、本の事例を挙げ、それぞれの本に係わる寸評を述べさせていただく。

・「山口多聞 空母「飛龍」と運命を共にした不屈の名指揮官」(松田十刻)
ほぼ全文が伝記小説。小説なのに、エピローグ、あとがき、主な参考・引用文献が組み込まれている。

・「山口多聞 空母「飛龍」に殉じた果断の提督」(星亮一)
部分的に伝記小説、部分的にノンフィクション。史料価値ある資料の引用もある。

・「ミッドウエー海戦、全二巻」(森史朗)
航空戦史に詳しいノンフィクションライターとして、時系列的経緯について、詳細にわたり調べ漏れなく纏めている力作。日本海軍、アメリカ海軍、両軍の動きを対比しつつ書いている点は評価できる。しかし、日本海軍側は小説風の会話文とノンフィクション的な文章が混在しているのに対し、アメリカ海軍の記述については文献を参照するなど、表現形式が統一されていない問題がある。経緯については非常にうまく書いているのに、まとめとしての書きぶりが今一つであり、航空戦史の専門家が書いたにしては、物足りなさが残った。

・「戦艦「大和」と伊藤整一の最期 四月七日の桜」(中田整一)
最初の二冊よりは、史料価値ある資料が多いが、部分的に伝記小説風の箇所が散見される。

・「凡将 山本五十六」(生出寿)
ところどころ会話文はあるものの、引用箇所等根拠資料を示しつつ、著者の考察が書かれており、ノンフィクション本として、まとまっている。

とりあえず、五冊の本を紹介させていただいたが、どれも良心的な書きぶりの本ではある。

偏向捏造は意図はしていないつもりで書かれたもののようだ。

しかしながら、私の判断基準で、語り継ぐという目的に絞れば、なんとか、その目的に合致していそうなのは、最後の二冊くらいであり、その二冊でもまだ不満なのだ。

少なくとも、Wikipediaの記述の方が、記述箇所それぞれにおいて参照箇所を示している点において、彼らノンフィクション作家や小説家が書いたものよりも史料価値があると思わざるを得ないのである。

従って、勇将の伝記を扱う、ノンフィクション作家、歴史研究者と称する言論人の方々におかれては、語り継ぐということに力点をおいていただきたいのである。
史料価値を考慮すると、会話文は、あとがき程度に限定いただきたいのである。

最後に、語り継ぐべき方々は他にもたくさんいたことを、紹介し、本稿を終える。

土井全二郎「歴史から消された兵士の記録」、土井全二郎「失われた戦場の記憶」には、普通は語られることのないことが書いてある。
フリーメーソン疑惑、スパイ疑惑、愚将・凡将との指摘ある一方で、名言録が出版され、地元で記念館が設置されている、山本五十六とは好対照である。

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