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zoom RSS 対北朝鮮外交 どこに打開策を見出すべきか?

<<   作成日時 : 2015/01/31 05:27   >>

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成果が目立つ安倍外交の中で、対北朝鮮外交は、拉致被害者を救出するという国家的大命題がありながら、なかなか交渉が進展しない。
私は、交渉が進展しない理由は、とりえる手段が平和的手段に限定されている関係で、北朝鮮に手の内をすべて読まれている、ことにあると考える。

要因的には、外務省に起因するものとそれ以外のものがあるように思う。

とりあえず、外務省の評価は、安倍外交の評価ほど、高くはないようである。

中山恭子議員は、外務省が介在する限り、事態の進展は見込めないとしている。

中山元拉致担当相、怒りの激白「外務省を外して新体制を…」 北朝鮮再調査問題
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150117/dms1501171527010-n1.htm

では、朝鮮総連本部売却事案は、どうか。

「総連は責任果たした」「通常の範囲で(手数料)受け取った」仲介の山内俊夫元参院議員
http://www.sankei.com/affairs/news/150129/afr1501290022-n1.html

拉致被害者奪還という名目で転売したという、山内元議員の発言を、私は信じることができない。昨年末の国会にて成立したテロ3法施行目前という事情を考慮した、駆け込み的な動きの可能性があるような気がしている。

そして、拉致被害者がいつの間にか、外交交渉マターの立場で提言している状況にある。

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「命以外の全て奪われた」拉致問題で蓮池さん講演
http://www.sankei.com/world/news/150124/wor1501240045-n1.html

 北朝鮮の特別調査委員会から、被害者らの安否再調査の報告がないことについては「拉致問題解決のカードを最後に切ることで日本からどれだけ多くの見返りを得られるか、つり上げようとしている段階だ」との見方を示した。

拉致解決のためにも「日中韓の緊張緩和を」 蓮池さん、韓国で講演
http://www.sankei.com/world/news/130824/wor1308240006-n1.html

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被害者の立場で語ることは是としたいが、外交については、他の要素を考慮した、慎重な発言が求められるような気がする。


さて、本稿を出稿するに際し、私は、外務省外しでの新体制の提言、朝鮮総連施設の転売、等々、臥薪嘗胆の気持ちで眺めている。

戦術的には、外務省外しで新体制を組んだ方が、外務省のチャイナスクール一派の影響は受けにくくなるし、テロ指定することで、総連施設の賃貸借契約そのものが消滅する可能性はあるだろう。

ただし、拉致被害者を確実に奪還するには、北朝鮮にとって、拉致被害者を無条件で帰還させなければ国益的に不利となる状況を外交的に作り出さなければならないが、

周辺国との外交状況からすると

韓国:概ね公的なすべてのチャンネル間で基本的に放置?
中共:実務協議レベルを除き、首脳外交予定なし

となっているようで、当面、中韓経由での外交的圧力はかからない。また、北朝鮮にとって、日本の韓国放置政策?による韓国経済の弱体化は、相対的に北朝鮮を利するものであることは、タイミング的に皮肉としか言いようがない。

そこで、ウクライナ問題、石油価格の大幅下落で、外交的、国家財政的に窮地にある、ロシアとの交渉と連動させ、北朝鮮を動かすことを安倍政権は狙っているような気がしている。
プーチン来日招請は、領土問題以外に対北朝鮮外交も考慮していることを指摘するのである。

しかし、ここで、もう一つ指摘しておかなければならない問題が存在する。それは、国民各層において、依然として、「外交問題を判断する際の特異性」が指摘されていることであり、その特異性がいまだ(多数?)世論を形成・支配している状況であることが、北朝鮮が本気にならない、言い換えると、日本の報復などとるに足らないと、北朝鮮が決断・行動する一因となっているような気がしてならないのである。

国民各層、すなわち、政治家、官僚、国民一般が持つ、外交活動上の特異性については、元外交官、村田良平氏が、その著書「甦れ、日本外交 なぜ外務省はダメになったか」で網羅的に指摘しているので、該当箇所を転載させていただく。

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外交にみる日本の特異性

※見出し部分について、読みやすくするために一部改編

●世界一、主権に鈍感(21頁)
多くの日本人はそもそも「国家意識」が十分ないままにとどまっている。このことは、国が他国と交わるという外交の分野で最も顕著に表れてくる。第一点は主権国家とは何か、そして主権はいかに貴重かについての理解が今なおおよそ国民に定着していないことである。

●「万事、穏便に」という初動方針(25頁)
日本の特異性の第二点として指摘したい主権国家意識の欠如と表裏一体をなす日本の修正は、外国との間にできる限りトラブルを避けようとしてきたことだ。外国を刺激せず、できることなら万事、穏便にすまそうという態度を、日本は対外関係一般にとってきた。換言すれば、”事なかれ主義”といってもよい。
私が問題とするのは、それなりに重要な摩擦案件が外国との間に発生した場合、多くの日本人が、外務省員も含めて、”できるだけ事を荒立てず、相手国を刺激することなく解決することが適切だ”あるいは”善意を示せば先方も多分理解して問題は円満に解決するだろう”との反応が、本能的に定着しているやにみられることだ。別の表現を用いれば、日本は自己主張しない国なのだ。事件の性質によっては厳重に抗議し、報復措置をとる、あるいは賠償を要求する必要もありうるわけで、そのような案件に初めから”事を荒立てない”との姿勢で臨むこと自体がすでに誤った初動方針なのである。

●力の行使を悪と考える、本能的な人命尊重思考(26頁)
三点目の特異性は、これまた第二の異常性と表裏をなすものであるが、力の行使は本来悪であり、日本人にも外国人にも一名の犠牲者も出さず国際問題を処理しようというほとんど本能的と呼んでよい人命尊重指向であろう。

●戦前の日本は悪であるという思考パターン(27頁)
私は私より若い日本人の多くがなお戦前の日本という国にあり方は全体として悪であり否定されるべきであること、日本は多くの悪逆な行為を行って、それの反省ないし償いとして、平和憲法を受け入れたのであるとの教育を受け、それをそのまま信じていることを挙げたい。

●感情に訴える手法にまんまと騙される階層の存在(28頁)
マルクス・レーニン主義のイデオロギーは完全に破綻したが、日本においては「戦後民主主義者」と呼ばれる一群の学者や知識人は、たまたまそのような破綻を認めたくない新聞社や出版社の庇護の下に依然として手垢のついた疑似マルクス主義ないし疑似自由主義者としての所論の展開を続けている。
彼らの多くは、冷戦の終了後は共産主義とはもはや名ばかりとなった中国の人権抑圧の現状を不問に付しつつ、もはや論理的理論構成はできないまま、有事立法などの動きについて、現実には絶対ありえない日本の軍事国家化やアジアでの孤立化への警鐘を鳴らすという情に訴える作戦ととっている。過去の惰性もあって、この種の論調は今でも時には実に難解な用語の衣を着て、もっともらしい論文として雑誌に掲載されたり、主婦感覚に訴えるという手法でテレビのニュース解説やワイドショーで紹介されている。

●ハンデイキャップ国家論思考(29頁)
特異性の第五点として私が批判したいのは、「日本ハンデイキャップ国家論」である。すなわち日本は戦前の公道、憲法の規定、国民の平和主義性向等から一定のハンデイキャップを負っている国であるから、国際的貢献もそれに応じて限定されざるをえない面と、むしろ伸ばす面がある(例えば経済力の行使を主とし、軍事力の行使は極めて例外的にしか行えない)との論である。私は終戦後一定の期間においては、かかる立場をとらない限り、本来、当時として日本が果たすべき国際的役割すら遂行できなかったという意味で「ハンデイキャップ」論の一定の有効性は一応認めてきたが、今や二十一世紀になってハンデイキャップ論は破綻したと考えている。
なぜなら、そもそもある国の負うべきハンデイキャップには絶対的なものと、相対的ないし一時的なものがあり、日本の場合、後者は大きく変わりつつあるからである。

●外国の日本に対する意見、とくに批判に対してメデイアが敏感に反応しすぎる(30頁)

●日本人が他国民以上に自国民の運命にのみ関心を向けすぎる(31頁)

●日本政府の難民ないし亡命政策が確立していないこと(31頁)

―――――――――――――――――

特異性とは、何か。この場合は、外交交渉上の、相手国民、すなわち、政治家、官僚、国民各層に蔓延する、民族的「甘さ」であり、「心理的に付け入られる隙」であると私は考える。
この本は2002年に出版された。読んでみると、同じ状況が今も続いていることに、愕然とするのである。
皮肉なことに、北朝鮮の外交部門は、ここで書かれた、特異性を参考に、対応シナリオを組み立ててきたのではないかと、私は予想する。

また、同じ本にて、村田良平氏は、「友好」と「平和」に関する、日本人各層(政治家、官僚、国民)に蔓延する勘違いを指摘している。

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●「友好」は外交の目的ではない(35〜36頁)
「友好」は外交の目的ではなく、結果として生まれればよいものにすぎない。
一口に友好といっても、大別すればこれは二種類ある。第1の「友好」は二つの国の間にとくに不和を招くような問題がなく、かつ歴史的、民族的、文化的等の理由から両国の国民間に広汎な、しかし漠然とした好意が存在する状態である。日本に対してきわめて友好的な感情を持ってくれている国々として、例えばハンガリー、トルコ、インドなどが挙げられる。この三国に対する日本国民の感情は、これら三国の日本に対するものほど熱烈ではないが、友好的であることに変わりはない。
他方、日本と中国、日本と韓国のように隣接ないし歴史的に長い交流のあった国家間において、あるいは日本と米国のようにそれぞれの利害がグローバルな接点を持たざるをえない国々の間においては、避けることのできない政治的、経済的、人道的等々の問題が利害の対立を伴う形、すなわち摩擦として発生する。したがって外交によってこの利害の対立を調整する必要が生じる。双方の努力によって摩擦が円満に”友好的に”解決することもある。
このようなそもそも密接な関係にある国々の間では、外交に関する私の第二の定義、すなわち”協議によって共通の利益の増進をはかる”ことも、しばしば実現が可能となる。したがって、両国の協力の進展の結果として「友好」と叫ぶに値する状態が発生することがある。これは本来望ましいことではあるが、繰り返せば、「友好」自体は目的ではなく、あくまで結果なのである。

●外交の目的として「平和」が挙げられることもあるが、これも誤りである。(36〜37頁)
平和とは戦争状態の反対概念にすぎない。武力紛争を抑止し、あるいは予防することは外交の最重要な目的である。平和も、こうした外交の成功がもたらす結果以上のものではない。
日本ほど平和という言葉が濫用されている国は世界にない。日本では、平和国家、平和外交、平和憲法、平和運動などという定義のあいまいな言葉が日常的に用いられ、かつ何か価値あるものかの如きニュアンスすら持つ。
しかし平和を冠して意味のある概念は、平和会議、平和条約、平和に対する罪といった国際法上の概念か、あるいは平和共存、平和五原則等、第二次大戦後国際政治上定着した概念のみなのである。平和そのものには意義はなく、人類のために有益、建設的な活動が、平和な状態において可能になって初めて意義があるのである。
外交の大きい目的の一つは、こうした積極的に評価すべき活動の基礎となる状態をつくることで、紛争や内戦を終結させること、二国間の厳しい対立を説得によって緩和すること、軍縮や軍備管理の合意を遂げて起こりうべき武力闘争を抑えたり、起こった場合も被害を最小限にとどめることが当然、優先的な目標となる。

―――――――――――――――――

なるほど、と納得することばかりである。
我々は、「友好」という言葉で中共に麻酔をかけられ、「平和」という言葉で左翼に無抵抗にされ続けた、これまでの経緯を深刻に受け止めるべきだろう。(人権という言葉もしかり)
マスコミが、盛んに喧伝してきた、「やさしさ」、「グローバリゼーション」も実は、そういう意図があったと勘繰るべきだったのである。

これら、国民各層に蔓延する民族的、特異性と勘違いが維持される限り、安倍政権が如何に頑張ろうと、外務省抜きの組織で交渉しようと、ロシアから圧力をかけてもらっても、一部の拉致被害者が奪還できても、北朝鮮首脳が根本的に態度を改めることはないであろうと私は考える。

それゆえ、対北朝鮮外交の打開策としては、当面の戦術的な措置の他に、これら民族的、特異性と勘違いを国民各層が克服し、安全保障外交上の虎の尾を踏ば、国家として手痛いしっぺ返しを相手国にお見舞いする、という「気概」を示すべきなのである。

日本が普通の国になるということは、憲法、軍事面以外に、これら特異性、勘違いを克服することも含まれるとみなせば、その道のりは決して生易しいものではないのである!

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